チョウトンボ
▼
チョウトンボ Rhyothemis fuliginosa Selys,1883
【生息環境】平野~丘陵地の、浮葉植物や柚水植物の繁茂した池沼、河川敷の淀みなど。
【生活史】卵期間5日~1週間程度、幼虫期間8カ月~1年程度(1年1世代)。
幼虫で越冬します。
【形態】美しい黒藍色の翅をもつ、チョウのようなトンボです。
独特な色調や形から多種と容易に区別できます。
オスの翅は青紫色に輝き、
メスは翅の着色部が金緑に輝く個体が多いですが、
オスと同じように青紫色の個体もみられます。
【分類】国内の種では、ハネナガチョウトンボにやや近縁です。
【備考】成虫は移動性が強く、浮葉植物や柚水植物があれば
都市部の公園の池でも見られることが多いです。
オスメスの翅色の違いは、表面の微細構造の違いと関連しています。
イトトンボ科は、世界中に広く分布する小型~中型種のグループで、
101属1,146種が知られています。
日本には、11属27種が生息します。
DNA解析ではさらに大きく2つのグループに分かれ、
日本産では、カラカネイトトンボ属とキイトトンボ属が、
将来的に別の科に見直される可能性があります。

アオモンイトトンボ Ischnura senegalensi(Rambur,1842)
【生息環境】平地~丘陵地の開放的な池沼や河川の水溜まりなど。
沿岸地方に多く、やや深みのある止水域に広く生息します。
【生活史】卵期間1~2週間程度、幼虫期間1カ月半~8カ月程度(1年2~多世代)。
幼虫で越冬します。

【形態】オスは胸部が緑色で腹部第8・9節に青色班があります。
メスの体色は橙色から緑褐色~濃褐色になるタイプと、
オスと同じような体色、班紋をもつタイプの2型があります。
オス型が劣勢の1遺伝子座のメンデル遺伝に従うことが知られ、
北方の産地ほどオス型が増える傾向があります。
【分類】国内の種では、マンシュウイトトンボとごく近縁です。
【備考】最も普通のイトトンボ科の一種です。関東地方などでは、
分布域の北上がみられます。

シオカラトンボ Orthetrum albistylum(Selys,1848)
【生息環境】平野~山地の、池沼や湿地、水田、河川の淀みなど、広く止水域にいます。
【生活史】卵期間5~10日程度、幼虫期間2~8カ月程度(1年多世代)。幼虫で越冬します。
【形態】中型のトンボで、メスや未成熟のオスは黄褐色だが、成熟したオスは白粉を吹き、
老いたメスも薄く白粉をおびます。時にオスのように全身に白粉を吹く個体もいます。
同属種とは体の大きさや斑紋、産卵弁の形状などで区別します。
【分類】ヨーロッパ~中央アジアに原名亜種が分布し、日本産は亜種とされています。
シオヤトンボとの種間雑種と推定される個体も知られています。
【備考】全国に広く分布し、もっとも普通にみられるトンボの一つです。

トンボの解説は、日本のトンボ 尾園暁・川島逸郎・二橋亮 著 文一総合出版より
チョウトンボの写真は、2021年6月20日に神戸市西区で撮影しました。
イトトンボとシオカラトンボの写真は、2021年7月21日に淡路島国営明石海峡公園で撮影しました。
- 関連記事
-
- ナツアカネ (2021/08/08)
- セミの季節 (2021/08/04)
- チョウトンボ (2021/08/01)
- 新種恐竜の化石展示のお知らせ。 (2021/07/30)
- 宇宙と生命展開催のお知らせ (2021/07/17)
Last Modified :

人気ブログランキングへ

FC2ブログランキングへ
コメントありがとうございました。
トンボはよく飛んでいるんですが、撮る前に逃げられることが多いです。
種類の違いが分かりだすと、面白いですよ。
たくさんいるところだと、撮影成功のチャンスが上がります。
[ 返信 * 編集 ]▲