群馬県人の県民性について
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群馬県人●妻には頭が上がらないけど、ギャンブルはやめられない?!
●金に執着しない気質が育ったわけ
一般的なイメージとして、ギャンブル好きは「ダメ人間」と思われる。品格のあるなしでいえば、ないほうに入るだろう。その点だけを取り上げると、失礼ながら、群馬の人たちは品格のない県民ということになる。
群馬県には、ギャンブル施設がやたらと多いのだ。伊勢崎オート、前橋競輪、桐生競艇、そして2004年(平成16年)末に廃止された高崎競馬と、かつては四大公営ギャンブルがすべてそろっていた。さらにパチンコ業界の三大メーカーがこの土地に集まっている。パチンコ店も多く、パチンコ機の製造台数では全国ナンバーワン。よりどりみどり、どんなギャンブルでも楽しめるところは、さしずめ日本のラスベガスといった風情である。
ギャンブル好きは、いまにはじまったことではない。群馬はかつての上州であり、中山道、日光街道、三国街道が通り、伊香保や草津などの温泉街があったことから、交通が発達した。宿場は歓楽街になり、街道筋では賭場が開かれて、ギャンブルがさかんになる。そこに集うのは、遊び人たちだ。男たちは、江戸っ子を真似て「上州江戸っ子」と見栄を切り、「宵越しの金はもたねぇ」とばかりに、あり金をみんな使ってしまう。上州は、昔からそんな土地だった。金に執着しない、群馬県人のギャンブル体質は、このようにして醸成されてきたといわれる。
では、その気質は、いまも受け継がれているのだろうか。「平均消費性動向」という統計を見てみよう。これは、消費支出を可処分所得で割ったもので、乱暴にいえば「金づかいの荒さ」がわかる数字。この統計で、群馬県は全国トップになったことがある。近年は、順位を下げているが、それでも娯楽費に使う金額は多く、けっしてお金を使わなくなったわけではない。

●「カカア天下」はいまも健在か
群馬の県民性をめぐって、必ず語られるのが「カカア天下」である。この言葉、男性が女性の尻に敷かれた様子と解釈されやすいが、本来は別の意味だったという。もともと、上州は自然の厳しい土地で、平地が少なく、冬は山々から「からっ風」が吹き下ろす。そんな環境だから、農作物はあまり育たない。ただ、桑の栽培には適していたため、養蚕や絹織物がさかんになった。まゆの生産や織物づくりは女性中心審の仕事であり、もともとこの地では、男性の仕事口が少なかった。
女房は養蚕・織物に精を出し、亭主はそれを江戸に売りに出かける。たまに帰ってきたと思ったら、現金取引で得たお金を懐に賭場へ走り、ギャンブル三昧の日々を過ごす。そんなことだから、亭主は女房に頭が上がるはずはない。男たちが能天気な暮らしができるのも、働き者の女房がいてくれるからこそ。というわけで、上州男たちは「うちのカカアは天下一」と自慢した。つまり、もともとはホメ言葉だったのである。
しかし、よそ者からすれば、他人の女房の自慢話など、聞いてもおもしろいはずがない。やっかみ半分に「天下一」の「一」をとっぱらい、「カカア天下」と悪口に変えた。それが、広まったのだという。では、現在の群馬女性はどうなのかというと、言葉や行動はややガサツに見えるものの、正直で裏がなく、世話好きのタイプが多いようだ。とまあ、やはり「カカア天下」によく似合う、男勝りの印象である。

しかし、男勝りに見えるのは、荒っぽい方言による印象も大きいのだろう。なにしろ、ちょっと前まで、女性も「オレ」「オマエ」といっていたくらい、言葉づかいが乱暴な土地柄なのだ。有名女性を挙げてみると、もっともカカア天下と無縁そうなのが、北朝鮮拉致問題を担当した元内閣官房参与の中山恭子。また、宇宙飛行士の向井千秋、芸能人では篠原涼子、由紀さおりも群馬県出身。もの静かに見えても、どっこい芯は強い、そんな印象の顔ぶれが並ぶ。
●豪快すぎる?!運転スタイル
ギャンブルばかりがクローズアップされがちだが、群馬は、クルマ好きでも有名な県である。自家用車の数は日本一(2005年)、当然のことながら、女性のドライバー比率も非常に高い。もっとも、クルマが趣味というより、生活の足として必要なのだが、セールスマンにとってはいいお客さんに違いない。「新型車は群馬で売れ」という言葉があるほどだ。
しかし、やはりというべきか荒っぽい運転が目立つ。「乱暴運転ランキング」では、常に全国トップクラス。人口10万人あたりの交通事故発生件数は、1160.2件(2005年)で2位、交通事故死傷者数も2位。せっかちな気質が災いしているのだろうか。さらにもうひとつ、これもあまり喜べない統計だが、火災のための消防機関出動回数も全国一多い(10万人あたり/2004年)。

同じく、建物火災発生件数は4位と、からっ風が吹き渡ることもあって、火事の多い土地柄だ。気前よく金を使い、せっかちで人情にあつい「上州江戸っ子」気質、おまけに火事が多く、言葉も荒っぽいとなれば、本家の東京より、よほど江戸っ子らしくはないだろうか。

写真は、三木市の園芸のコンテストの作品です。2021年7月4日撮影。
あなたのお国の品性度がわかる本 県民の品格 河出書房新社より
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