拉致問題を考える国民のつどい in 兵庫・神戸
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12月18日に「拉致問題を考える国民のつどい in 兵庫・神戸」が
兵庫県公館で開催されました。
兵庫県で拉致問題に関するつどいが開催されるのは、
平成25年以来8年ぶりとなりました。
冒頭、14年間、家族会の2代目の代表を務められてきた飯塚繁雄さんが、
未明に亡くなられたと聞き、全員で黙祷をしました。
会場に来た私たちは突然の訃報に驚きました。
主催者による挨拶が始まりました。
松野博一 内閣官房長官兼拉致問題担当大臣
齋藤元彦 兵庫県知事
久元喜造 神戸市長の順番でした。

来賓者の紹介の後、有本恵子さんの母、嘉代子さんを偲んでのビデオメッセージ、
「兵庫県内の中学生の皆さんへ」と題した手紙を、兵庫県立東播磨高校放送部の方が
見事に朗読して下さいました。
有本恵子さんの父親の有本明弘氏からの訴えを聞き、
これはひどい。必ず問題を解決せねばならない、と思いました。
有本恵子さんは、神戸市外国語大学の学生でした。
卒業を前に留学をしたいと自分で学費を貯めて、英国へ行った矢先に拉致被害に遭いました。
夢をかなえるためとはいえ、家族の反対を押し切っての留学だったと知って、胸が締め付けられます。
夢に向かって一番輝いていた学生時代に、留学先でさらわれてしまうなんて、絶対許せないです。


拉致被害者・特定失踪者のご家族の訴えがありました。
北朝鮮による拉致被害者家族連絡会(家族会)の
事務局長 横田哲也氏(横田めぐみさんの弟)
特定失踪者家族会副会長の吉見美保氏(秋田美輪さんの姉)
による、これまでの経緯の説明と心からの訴えがありました。
印象に残った話は、
北朝鮮では、毎週末に「生活総和」ということを国民に強要している。
それは、上層部は市民がどこでどんなことをしているかを報告させるもので
思想的な教育も毎週末、行う。これにより、市民の行動や様子は
上層部はすべて把握しているというものです。


家族会は日朝双方に連絡事務所を置くことに反対しています。
正しい道は何か、本質を見極めて欲しいです。と話されていました。
私たちが望んでいることは、拉致被害者の一括即時帰国です。
と強く述べられていて、自分の家族だけ戻ってくればよい、などと
いう考えは全く持っていないことを知りました。
龍谷大学教授 李相哲氏の講演では、「拉致問題はなぜ解決しないのか」
について、熱弁がありました。
北朝鮮はどういう国なのか?
解決に向けて、現在、どんな働きかけをしているのか?
北朝鮮は、私たちの常識が通じる国ではなく、ならずもの国家です。
分かりやすく言うと、犯罪で生計を立てている国です、と述べられました。
例えば、麻薬を売りさばいたり、偽煙草の輸出などが挙げられます。
また、紛争地帯に武器を売ることもしています。


北朝鮮がなぜそのような振る舞いを続けていられるか?ですが、
それは、アメリカから攻撃を受ける心配がないこと、中国は北朝鮮を見捨てていないこと、
日本や韓国が北朝鮮に手出しができないことなどが、あの国をのさばらせているのだと。
現在、北朝鮮には、6800人のハッカーがいるそうです。
脱北者を調査している転換期正義ワーキンググループ(TJWG)が調べました
という話をされていました。
北朝鮮には人権という概念がないそうです。
国内では平気で処刑が行われており、その方法も火刑(火あぶり)、銃殺刑
また、高射砲で殺害した後、その死体を戦車で踏みつぶして跡形もないようにしてしまう
ということも話されていました。
北朝鮮国内には、飢えに苦しんでいる人民がたくさんいます。
しかし、海外からの援助を、1994年には9億ドルというお金を
金日成の宮殿増築工事に使ったりと、人民を助けるためには使われていません。
そのお金があれば、北朝鮮国内の人民が飢えずに助かるのに、
トップがそういうお金の使い方をしないのです。
北朝鮮は、韓国からも多くの人間を拉致しています。
朝鮮戦争時には、お金持ち10万人を首都ソウルからさらっていったということです。
韓国内では、現在も拉致と疑いのある行方不明になる事件が起きています。
2002年に金正日が拉致を認めた理由ですが、その頃、アメリカは
北朝鮮を攻撃する構えを見せたからだと説明がありました。
北朝鮮はテロ支援国家である、と名指しされたからです。
2018年後半から北朝鮮への制裁はますます強いものとなりました。
国が困った状態になると、北朝鮮の方から対話を求めてくるのではないか、
と説明がありました。
拉致問題解決のために何をすべきか?
ターゲットを金正恩トップに対して絞るべきとのことです。
こちらから頼むのではなく、金正恩本人が出てこなければ
大変な目に合う状態を作り出すことだ、と。
現在、バイデン政権は裏で北朝鮮への圧力を強めています。
特殊部隊を韓国へ送り、訓練している様子をHPに載せて
こういう部隊を送り込むぞ、と脅しをかけているようです。
日本も行動に出なければなりません。
国際刑事裁判所に訴えるのもひとつの方法でしょう。
常識が通じない国を相手に、問題解決へ向けてどう行動していくかが
問われていると感じました。

しかし、拉致被害者には、残された時間がもうほとんどありません。
どうか、早い解決を願います。
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難しい記事にコメントありがとうございました。
おっしゃるとおりです。
拉致された被害者の親世代の方、もう存命の方がお二人しかいません。
なぜ前に進めないのだろう?と疑問に思っていましたが、
人権を無視し常識が通じる相手ではないことを知りました。
もしも被害を受けた家族の立場にたったら … 。
国民の間の機運を高めることも必要だと思います。
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