新潟県人の県民性について。
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新潟県人●我慢・辛抱・忍耐…の人柄。怠け者には住みにくい?!
●努力家ぞろいで、粘り強さは天下一品
2004年(平成16)10月、新潟県中越地震が新潟県を襲った。そのとき、全国の人々は、ニュース報道を通じて、新潟県人の辛抱強さを改めて知ることになった。被災し、不自由な避難所暮らしのなか不満がないはずがないのに、「ありがたい、ありがたい」と感謝の言葉を口にするお年寄りの姿は、感動的ですらあった。うずたかく積もる雪と格闘しながら、日本一の米作地帯を築き上げてきた新潟県人は、自然の脅威というものを知り尽くしている。NHKの調査でも、自然環境や気候の厳しさ、つらさを認める住人の割合は、全国一高い。あれだけの地震被害に見舞われても、パニックが起きなかったのは、豪雪地帯という背景も関係していたのだろう。

昔から、越後の人には、辛抱強く、ひたむきにコツコツ働く人が多かった。仕事があれば、どこへでも出稼ぎにいく。昔は「頼まれれば、江戸まで餅つきに」という言葉があったほどだ。かつては、東京で、銭湯や豆腐屋の仕事に従事する人が多かった。まだ、都内に銭湯がたくさんあった昭和40年代、東京の約40%の銭湯は新潟県人が経営していた。豆腐屋にいたっては、約60%が新潟県出身者の経営だったという。銭湯・豆腐屋とも、庶民の暮らしに欠かせないものであり、日銭が入る手堅い商売である。安定志向が強い新潟県人には、こうした職業がぴったりだったようだ。一方、新潟女性も男性に負けてはいない。東京に出ると、看護師になる人が多かった。ナースと言えば響きはいいが、肉体労働のうえ、ストレスのたまりやすい大変な仕事である。従順で世話好きで辛抱強いところから、「女房にするなら越後女」といわれた新潟の女性には、うってつけの仕事だったのだろう。

●「教育には不熱心」は大誤解?
大卒がステータスとはいえなくなった現代でも、親は子どもを大学へ進ませたがる。しかし、その点、新潟県人は「名よりも実をとる」といわれるだけあって、世間体から大学へ進むことはない。新潟県人は、「のめしこき」といって、「怠け者」を何よりも嫌うのだ。大学へ行っても勉強しないくらいなら、働くのが当然、という考え方が根強くあって、長らく大学への進学率は低かった。
そんなことから、新潟県は教育に不熱心ともいわれたが、最近はそうとも言いきれない。むしろ、高校進学率は99%と全国ナンバーワン(平成19年3月卒業者/新潟県ホームページより)を誇り、学校教育に対する感心が薄いわけではないようだ。ただ、やはり、大学進学率となると47.2%で全国29位といきなり順位を下げる。この数字は、大学よりも専門学校に進む人が多いことを示している。大学を出たから、出世するとは限らない。かといって、高卒ではいい就職先を見つけるのは難しい。そこで、高校を出たら「手に職をつける」のだ。というわけで、新潟県では、専門学校人気が高い。高校卒業後の約24%が専門学校に進み、この水準は全国1位だ。

●マジメだからこそ、悩みも多い…
一方、大人たちの暮らしぶりといえば、さすが米どころ、酒どころといったデータが並ぶ。新潟県庁がホームページで公表して,いる「全国ベスト5ランキング」によると、米の産出額1831億円(平成18年)、米菓の出荷額1336億円(平成17年)、清酒の出荷額518億円(平成17年)と、米関係がズラリ顔を並べる。酒がうまいとあって、清酒の消費量も全国ナンバーワン。といって、夜な夜なドンちゃん騒ぎをするわけではなく、地元の銘酒を楽しむというのが、越後人のアルコールとの向き合い方。ところが、酒を飲んでも、晴らせない憂(う)さもあるようだ。

新潟県のもうひとつの特徴として、うつ病が多く、自殺率が高いという喜べないデータがある。厚生労働省によると、新潟県の10万人あたりのうつ病・躁うつ病患者の数は1152人で全国1位、自殺率は全国で5位なのだ。真面目で保守的、血縁や地縁、古い慣習や規律に縛られた暮らしは、アットホームである反面、息苦しさがともなう。一度、異端のレッテルを貼られたら、閉鎖的な環境ではたちまち生きにくくなってしまう。越後の人々は、冒頭でも触れたように、日本が失いかけた良識をもち、それを誇りに思っている。しかし、だからといって、我慢のしすぎは心にも体にもよくない。うつ病。自殺原因の一端が、この古き良き日本人らしい県民性とかかわりがあるのだとすれば、何ともやりきれない話である。

あなたのお国の品性度がわかる本 県民の品格 河出書房新社より
写真は、2009年11月03日に神戸市の大山寺の奥の院に架かる橋を撮影しました。
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コメントありがとうございました。
自然環境の厳しい地方であることは事実なので、冬の雪下ろしなどは
相当、体に心にきついと察します。
私の住んでいるところは雪の積もることがないので、
報道を見ていると気の毒になります。
周りの人みんなが参加する中、体の弱い人はどうすればいいのかとも感じますよ。
思いやり、助け合いと言いますが、肩身の狭い思いをしている人もいるはずです。
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