富山県人の県民性について。
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富山県人●「ケチ」と笑われようともマイペースは崩しません
●ハンパではない「家屋敷」へのこだわり
立派なマイホームを建てることは、いまでも庶民の夢には違いない。しかし、土地が狭く、地価の高い大都市では、もはや大きな家を持つには、宝くじを当てるくらいしか望みがない。家はあきらめて、かわりに海外旅行やクルマにお金をかける人も増えている。その一方、いまもマイホームに強いこだわりを持ち、しかもその夢を実現しているのが、富山の人々。その昔、富山では「白壁の土蔵を建てるのが夢」といわれたが、その憧れは、いまも“持ち家志向”となって引き継がれているようだ。
富山県にはマイホームを持つ人が多い。持ち家比率は79.1%で全国トップを誇り、その広さにもビックリさせられる。延べ床面積は全国1位で、居住室数が1住宅あたり7.66室もあるのだ。畳に換算してみると、1人あたり居住室の畳数で、15.9畳と全国一。それに対して、ワースト1の沖縄県は9.8畳、ワースト2の東京は10.4畳しかない。むろん、ボーッとしていて家が建つはずもなく、富山県人は、男も女もおじいちゃんおばあちゃんまで、とにかくよく働く。一家総出で働いたお金を貯金にまわし、ドドーンとでっかい家につぎ込むのである。

江戸時代、隣の加賀藩(現在の石川県)は百万石の大々名だったのに対し、富山藩はわずか十万石と貧しく、冷害にもしばしば苦しめられた。人々は「雑穀を食べるように」「着物は麻か木綿しか着てはダメ」「お茶や酒は飲まないように」などといった厳しい制約を受けながら、過酷な労働に耐えてきた。富山県人のたくましさや勤勉さは、そうした苦しい経済状況のなかで培われたといわれる。

●しっかり貯め込み、ハデを嫌う
富山の人たちは、外へも積極的に働きに出かけた。その代表が、全国を股にかける「越中富山の薬売り」である。その置き薬商法は、一軒一軒家を回って薬箱を置かせてもらい、使ったぶんだけを後で精算するという仕組み。お客の信用をとりつけるまでは、地道で骨のおれる仕事だが、いったん顧客をつかめば、二代、三代と仕事を受け継げる手堅さがある。
その成功をねたまれて、よそ者からは「北陸の大阪」と陰口を叩かれることもあるが、富山県人はいたってマイペース。一世帯あたりの貯蓄現在高は12位と高い方だが、消費マインドを示す平均消費性向は全国35位とかなりの低レベル。つまり、あまり使わず貯金をする人が多いということだ。だいたい富山県は、無駄な買い物をしない。人口10万人あたりのデパート数が全国で2番目に少ないという数字は、買う人がいないから、デパートも建たないことを示している。
教養娯楽費の割合も全国で2番目に低く、スポーツでは全国38位、旅行15位、海外旅行19位など、遊びには無関心。仕事先の人と「お茶でも飲みながら打ち合わせ」という習慣もないようで、街には喫茶店も少ない。

●女性へのアプローチは「押しの一手」
では、ショッピングにもスポーツにも関心のない富山県人は、普段何をしているのだろうか?統計から推測するに、おそらく本を読んで勉強しているようである。書籍・雑誌小売業の年間販売額では、人口1人あたりで全国6位、10万人あたりの図書館の数は5.40個で全国2位、最下位の神奈川県0.94館と比較すると、その差は歴然である。
また、富山県は、昔から教育への関心が高いといわれる土地。高校進学率、短大・大学進学率ともに高レベルだ。その真面目さ、粘り強さは、恋愛傾向にもあらわれるという。データがあるわけではないが、富山県の男性は、気に入った女性には、しつこいまでにアプローチを続ける。ダメでもともと、地道に粘ればなんとかなるかも、という経験則に裏づけされた自信がそうさせるのだろうか。
一方、女性の方も、金銭感覚が発達していて、しかも働き者だから、パーフェクトなお嫁さん向き体質。とはいえ、結婚相手に求めるレベルは高いといえる。なにしろ、豪華な家を建て、経済基盤の安定した環境を好むから、いくらハンサムでも、地に足のつかないタイプは見向きもしてもらえそうにない。

(あなたのお国の品性度がわかる本 県民の品格 河出書房新社より)
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同じ県でも色々なタイプの人がいますけれど、
県民性というのもある程度は影響しているな、と感じることも多々ありますね。
私は富山出身の友人、知人は数人しかいないのですが、なるほど!
とうなづける内容でした。堅実で冒険はしない印象です。
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