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イギリス人の主張の話

読書をしていて気になる本がありました。押入れに眠っていました。
外国の人の考え方や感じ方について書かれてある本です。

イギリス人の主張について書きます。

1.経験によって生きよう
イギリスのような先頭民族は、経験を重視して、物事を具体的に処理していくほか方法がない。これが先頭民族の宿命である。思想に溺れたり、感情に走ったり、独断ですすんだ指導者は、みんな国をあやまっている。我々は、経験を一つ一つ心に銘記して、いつも極端な場合をいちおう考えながら多角的に物事をみつめたうえで、なるべく大過のないおだやかな道へ国をすすめていくことが、絶対に必要だと思っている。各人は、いつも多数の人の幸福を中心に考えていなければならない。

2.現実を冷静に判断してみよう
人間の社会では、物ごとを判断して見る目をもつことが大切である。判断をしないで、他人のしたままをすることを物まねという。これは、下の下である。また物事を観察するときには、先入観を持たないで大小軽量や敵不適を見極めて、冷静に価値判断をしなければならない。そして、いつも具体的な対策を立てることが肝要である。フランス人やドイツ人は、物事をするときによく理論が先に来るけれども、そうすると最も重要な人間性を見失い、あるいは軽視することになりがちだから危険である。

3.具体的な結論をもとう
このようにして、イギリス人は、各国の違う人間観にしても、またあらゆる物ごとの現象にしても、一つ一つ国民みんなで考え具体的な結論を出して、心の中に収めているのである。そうでもしなければ、膨大な世界を統治していくことなどできたものではない。イギリス人は、フランス人やドイツ人がとかく思想とか理想とかに偏り、非具体的になるのは、百害あって一利もないと考えているようである。

4.人間性を洞察しよう
人間の心の中には、他人の幸福を求める神の心と、私利私欲だけを願う反社会的な悪魔の心が同居している。この複雑怪奇な人間を、一つの社会の中に入れて治めようというのが政治である。それゆえ、まず人間は性悪のものとして、社会観を組み立てることが大切である。日頃から人間性を悪とみて起こり得ない様な極端な場合を想定しておけば、どんな不測な事態が起こっても、驚いたりあわてたりすることはないからである。そのうえでキリスト教の教育で悪がはびこらないようにする。すなわち、政治には、人間性の深い洞察が必要である。

5.公平と平等を区別しよ公平とは、よく働く者が多くの報酬を受け、働かない者が貧しくなることであるから、国民に活力を与える結果になる。これに反して平等とは、よく働く者にも働かない者にも同等の収入を得させようということである。これでは働く意欲が低下し全体の能率が落ち、自由主義社会に負けてしまう。人間でも動物でも、死ぬぞと脅かされない限り、全力は出さないものである。知的労働をしている人でも、ハングリーでなければ良いものは書けないというではないか。

6.革命と改良主義を考えよう。
若い人は、常に変化を求める。それゆえ社会は、いつでも進歩する。いや進歩でなくても変化することは避けられないもののようである。どんなに良い伝統だと思っても、変化することは避けられない。しかし、社会というものは、いろいろな考えが複雑にからみあってできているものであるから、一つの思想を表面に出してその他を切り捨てる革命は一大破壊であるから、絶対に避けなければならない。時代に合わなくなったところを一つ一つ具体的に改良し、あるいは切り捨てていけば良いのではあるまいか。この人の世には、革命の標語になりがちな無制限自由とか無制限平等などという社会があるはずがないではないか。

参考文献:イギリス人、フランス人、ドイツ人の性格 池田徳眞 学生社(著者の敬称を略しています)



外国、その中でもヨーロッパの人達は主義・主張がはっきりしています。相手の意見を聞いた上で、自分の考えをはっきりと伝える。この姿勢は、私には足りないものだと自覚しています。自分の考えを相手に強制したり、聞きたくない意見からはなるべく目を逸らそうとしてしまいます。ですので、自分を戒めるために記事に書きました。

食べられないきのこ
写真は、2009年11月中旬に明石市内で私が撮影しました。
きのこの一種ですが、これは食べることはできません。

次回の更新は、フランス人の主張について書く予定です。
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